Our First Fieldwork
VERNACLEの構想が立ち上がり、最初にわたしたちが訪れたのは陶芸家の黒田 泰蔵さんのアトリエと自宅でした。
伊豆の小高い丘の上にあるその場所は、代表の松本 裕也が体験し、憧れた「Life Style」の原点とも言える場所。
大島や利島を望むその場所では、庭光と影のコントラストが美しく映え、心地よい風に新緑が揺れています。庭の奥には、安藤 忠雄さんによる黒くて小さな「水の展示室」がありました。
そこにある建物たちは、その土地が放つ固有の空気を存分に纏い、まるで昔からその場にあったような自然な佇まいです。決して華美ではなく、のびのびと空間が広がり、そこはかとない豊かさに満ちています。住宅やアトリエといった機能性をまといつつも、扉のサイズや部材の一つ一つに“ここに、こうあるべき”という強い意志を感じます。
「こんな暮らしをしてみたい」と、わたしたちは思いました。そして、「こんな暮らしを増やしたい」とも。それは、現代のメインストリームとは別の豊かさに繋がるように思えたのです。