Memories of Italy
Memories of Italyについて
Memories of Italyは、イタリアで使われてきた美しい日用品たちを集めたブランドです。ブランドを立ちあげたのは、デザイナーの椎名 香織さんとパートナーのリカルド・ナルディさん。ミラノに暮らし、デザイナーとして多忙な日々を過ごしていた二人は、ときおり豊かな自然を求めてサンタ・フィオーラなどのトスカーナ地方にある小さな村で休暇を過ごしていたそうです。トスカーナはリカルドさんの地元でもあり、各地を旅するなかでひときわ心を惹かれたのがオルチャ渓谷。コロナをきっかけに自然と暮らす生活を求めて移住しました。自宅で過ごす時間が増えた椎名さんは、イタリアで昔から使われてきた暮らしの道具たちに新しい気付きを得ます。それはワインなどを入れるカラフェやグラス、大理石のすり鉢など、イタリア人ならおなじみの道具たちです。長年のイタリア生活で思い入れのある道具たちを再編集することでMemories of Italyが誕生しました。
オルチャ渓谷について
イタリアのフィレンツェから南東へ2時間ほどの場所にあるオルチャ渓谷。ローマへの巡礼道が通る広大な丘には石造りの邸宅が建ち、ところどころに糸杉が真っ直ぐと陰を伸ばします。大自然と人々の営みが作り出した絵画のような美しい景観は、悠久の歴史と暮らしの美学を育んできました。ルネサンス時代の芸術家たちをも魅了し、2004年に世界文化遺産に登録されました。今でこそ美しい景色が広がるオルチャ渓谷ですが、もともとは耕作に向かない土地だったそうです。しかし、長い時間をかけて土壌を改良しながら畑を耕し、大切に育てていくことで奇跡のような美しい風景を生み出すことになったのです。自然遺産ではなく、文化遺産として登録されているのも、こうした暮らしの背景があるからなのでしょう。トスカーナを象徴するこの風景に誰もがある種のノスタルジア(郷愁)を感じるのは、美しさよりも人々の連綿とした営みに深い感動を覚えるからなのかもしれません。
椎名 香織より
インテリアデザイナーを目指して24歳でイタリアへ渡り、ミラノを中心にデザイナーとして活動してきました。パートナーであるリカルド・ナルディ、ラゴット・ロマニョーロの愛犬プパと出会い、いまはオルチャ渓谷で暮らしています。San Quirico d'Orcia(サン・クイリコ・ドルチャ)にオフィスを兼ねたショップ「MANUFACTO STORE(マヌファクトストア)」をオープンし、「Memories of Italy」をはじめとする日本とイタリアの職人による“心のこもったもの”を扱っています。時を超えても残る作り手の想いを感じるアイテムには、日常の何気ない瞬間を美しいと感じさせてくれる不思議な魅力が詰まっています。/椎名